ゲーム『MOTHER』シリーズの公式トリビュートコミック『Pollyanna』を読みました。
『MOTHER』好きな35人の漫画家・作家が執筆に参加しており、執筆陣それぞれのMOTHERにまつわるエピソードや思い出のシーン、二次創作ストーリーなど自由に描かれております。ざっくり言うとプロが作った公式同人誌といった感じの内容です。
これまでゲーム内や公式ガイドブック等のオフィシャルな媒体でも未発表だったMOTHERの知られざる部分が明らかになると期待した方もいらっしゃるかもしれませんが、そういうのは無いです。
WEBサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』に掲載されたMOTHER関連のコンテンツも一部収録されています。
個人的に見どころだと思ったものは、原作者の糸井重里さんによる『MOTHER』を構成している要素をまとめた地図のようなもの。原作者の頭の中をのぞくことによってより作品を深く知ることができるのは面白いです。
次に『MOTHER3』のデザイナー今川伸治さんによるシリーズ全員集合!的な描きおろしイラスト。1から3までのキャラクターたちが同じ画面に勢ぞろいしているのが賑やかで楽しいです。
そして、今までに発売された&これから発売予定の関連グッズの紹介ページが資料的な価値を感じられて良かったです。
以下、さすがに掲載作品すべてについて語るのは難しいので、こまごまと気になったポイントを箇条書きで失礼します。
- 若い作家さんの中には『大乱闘スマッシュブラザーズ』でネス及びMOTHERシリーズを知ったという方が多いようで、ジェネレーションギャップを感じる……
- 糸井さん本人をネタにしているかなり攻めた作品もあって、これ、良く掲載できたな(笑)そういうのも許してしまえる糸井さんの寛大さもMOTHERの魅力?
- トビー・フォックスさんも執筆に参加されており『UNDERTALE』も好きな方には嬉しいかもしれない。
- 吉田戦車先生のネタは『MOTHER百科』を読んだことがある方にはなんとなくクスっとくるかも?
- 原作未プレイの方もいらっしゃりましたが、それでもなんとかネタをひねり出しているのはさすがのプロ?!
- MOTHER3のネタは少なめかも……
総評ですが、作家の方々のMOTHER愛があふれていて、この本で初めて知った原作の小ネタもあり、目から鱗と同時に自分がファンとしてまだまだだなと感じさせられました。また原作をじっくり遊びたくなりました。
二次創作(ファンフィクション)や同人誌のようなノリが苦手な方にとっては本体価格2400円は高めではありますが、執筆陣の中に好きな作家さんがいて、その方の描く『MOTHER』を見てみたい方には一見の価値があるかもしれません。
私個人としてはそれなりに楽しめたので満足しております。