『UNDERTALE/アンダーテール』感想

『UNDERTALE』のNルートとPルートをクリアしたのでネタバレしない程度に感想です。Gルートは高難度&ショッキング要素が含まれるとのことなのでまたの機会に……

このゲームをプレイしたのは、知人に「MOTHERシリーズと東方projectが好きならやってみて!」と勧められたのがきっかけでした。アメリカのTobyFoxさんが個人で開発したいわゆるインディーゲームで、上記の『MOTHER』や『東方project』などの日本産ゲームの影響を多大に受けているそうです。

プレイするまでは「なんのこっちゃ」と思っていましたが、レトロ調のほのぼのとしたグラフィックやクセのあるセリフ回しによる“MOTHERっぽさ”と敵の攻撃は弾幕シューティングの容量で回避する“東方projectっぽさ”は確かに上記のゲームが好きな私のツボを押さえていました。

どんなゲームなのかまとめると、RPGなんだけど戦闘にレベルアップは必要なく、低レベルでも敵の攻撃をかわせればノーダメージかつ行動次第で平和的に戦闘を終了可能。弾幕を避けるのは苦手でも回復アイテムでしのいだり、防具を装備して被ダメージを減らせたりとRPGと弾幕ゲーの魅力をうまいことミックスさせています。これらのシステムが『UNDERTALE』という作品が『MOTHER』や『東方project』のただのオマージュ作品ではなく、ひとつの新しいゲームとして確立させています。

ゲームシステム以外の面も魅力的で、レトロ調に作ってあるように見えるんだけど、キャラクターがぬるぬるアニメーションする&美麗なグラフィックのお店のシーン。みんな強烈な個性を持っているけどどこか憎めないキャラクター達。ピコピコだと思っていたBGMがシーンに合わせて今時らしいセンスのものになったりと、ちゃんと現代のゲームなんだぞ!という感じが伝わってきました。うざい犬などのテーマになっているBGMは犬が歌っているような感じがかわいらしくて好きです。

他にも作りこみがとにかく細かくて、キャラクターたちのセリフの変化がメインキャラクターだけではなく超脇役にもきちんと用意されているのには感心しました。セーブデータにも仕掛けがあって、リセットしてもリセット前の行動が完全になかったことにされてなくて、うっかり倒してしまったモンスターのことが気の毒になったりするあたり“やさしいRPG”の意味がなんとなくわかった気がします。

また、このゲームは謎も多く残されていて、ファンによる考察も盛んです。それらの謎には特に深い意味は無いのかもしれないけれど、ゲームを楽しむ要素のひとつである“考察する楽しみ”として作者さんはあえて用意したのかなと勝手に考えております。

作者さんのゲーム愛がこれでもかというくらい伝わってくるのと同時に、ゲームというものは作る方も遊ぶ方ももっと自由で良いのだと気づかされました。なんだか少しポジティブになれそうです。