『けものフレンズ2』感想

はじめに、作品の外部で色々と問題視されていることが多いですが、それらは抜きにしてアニメを視聴してみての率直な感想を書きたいと思います。ネタバレや作品の専門用語も含みますので『けものフレンズ』1期・2期共に未視聴の方はご注意ください。

巷ではクソアニメと称されていたのでそんなにひどいのか怖いもの見たさで視聴しましたが、思っていたよりはちゃんと観ることができました。1期と切り離してみたら可もなく不可もなく、キャラクターがかわいいアニメだなと思いました。

ただ、1期と比べるとどうしてももやっとする部分が多いです。以下はもやっとポイントの吐き出しです。

まず、今作のメインキャラクターのカラカル。ツンツンしたキャラはけもフレでは珍しいので個性として良いと思うけど、たまに見せるデレの部分の描写が雑でなんだか嫌味なだけのキャラに思われていそうで残念です。見た目もかわいくて好みだし、本当は他のフレンズ同様やさしい子だと信じたいです。

次にヒトと動物の関係。1期ではヒトも動物の1種として力を合わせてパーク(物語の舞台)の危機を救ったというのに、今作ではなぜかヒトは動物に恐れられる存在となっています。これがまだ1期の前日譚だったらこのような関係でも納得はできるのですがね。

その次にビーストの存在。はじめは自分の力を制御できないために周りから恐れられていたけれど、最後には呪縛から解放されて他の子たちとも仲良くなるなど何らかの救いがあるのかなと思っていたのにあの最期は…

そして一番もやっとしたのは最終話のラスト。新主人公が旧主人公の親友であるサーバルを奪ってしまったかのような流れは1期を楽しく観ていた身からするとなんだか悲しいし、みんな仲良しじゃいかんのか?と疑問に思います。「1期が面白かったので2期も期待して観たら、思っていたより面白くなくてがっかりした」というだけならばよくあることなんだけど、1期の美点をぶち壊すような2期はいかがなものかと思うのです。それに対しての詳しい説明が作中でされている場合はともかく。所々1期のオマージュとも言える部分があっただけにそれらを台無しにしているあたりにある種の悪意のようなものも感じられます。

他にももやっとポイントはいくつかあるのですが、それらはよそでもよく指摘されているのでここでは割愛します。ただ、イエイヌの扱いについては製作陣の感受性の乏しさや配慮の無さを感じます。目の前で自分を守ってくれた者が傷ついていたらすごく心配するのが普通じゃないのかと…

ほとんど感想というよりは愚痴のようなものになってしまいましたが、けもフレに関しては1期は本当に楽しく観れていたし、かわいらしくて優しい世界観は好感を持っていました。それだけに今作は非常にがっかりする部分が目立ちました。「1期の優しい世界観と違って今作は鬱要素を入れます」というスタンスも2期監督ならではの『けものフレンズ』としてアリだとは思いますが、中途半端に1期とつながりを持たせてしまったのが本当に良くなかったと思います。アニメに続きがあるのならば未回収の伏線についてや今作の問題点に関するフォローがあることを祈っています。